英、TPP参加も視野 EU離脱交渉方針 首相と閣僚合意(産経新聞)

【ロンドン=岡部伸】メイ英首相は6日、閣議を開き、欧州連合(EU)からの離脱後の通商関係について議論し、交渉方針で合意した。EUが定める製品や農産物の規格などEUの一定の通商ルールに離脱後も英国が従い、モノに限定した自由貿易圏創出を提案するなどEUとの関係を尊重する内容。EUの影響力を排した完全な離脱を求めるジョンソン外相ら強硬派閣僚が反対し、メイ氏が約12時間かけて説得した。

 離脱条件をめぐるEUとの実質合意期限が10月に迫る中、「ハード・ブレグジット(強硬な離脱)」方針から協調優先の「ソフト・ブレグジット(穏健な離脱)」路線に修正して交渉の局面打開を図る狙いだ。

 閣議は、英国が離脱する来年3月から2020年12月までと設定される「移行期間」終了後のEUとの通商関係を協議した。

 発表によると、交渉案はEUが定める工業製品や農産物の規格・基準に関して、英国は離脱後もEUの通商ルールに従い、「モノの自由貿易圏」創設を提案し、貿易面での緊密関係を維持。関税面でもEUと連携し、現状並みの円滑な貿易を確保することで企業が国境を越えて展開するサプライチェーン(部品の調達・供給網)を守る。

 また離脱後に各国との自由貿易協定(FTA)締結を目指すほか、米国を除く日本など11カ国が署名した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加も視野に入れる。

 同案では、英国のサービス業が享受しているEU単一市場へのアクセスを失うほか、人の「移動の自由」を制限するとしており、与党内の最強硬派が反発する可能性も指摘される。EU側の交渉責任者、バルニエ首席交渉官は6日、ツイッターで英政府の合意に「歓迎」を示し、「英国の提案が実行可能で現実的かどうかを精査する」と表明した。